学歴フィルターどこから通用する?かかる大学の見分け方を解説

『学歴フィルター』という言葉は就職活動や転職活動をする、もしくはこれまでにした経験があるなら、意識してしまうこともあるのではないでしょうか。

採用を行う企業に学歴フィルターは実在していて、せっかく応募しても学歴を理由に企業に注目してもらえない……というケースは実際にあります。

今回は学歴フィルターが存在してい理由や回避方法、学歴に自信がなくても就職活動や転職活動を有利に進めていくためのコツなどを詳しく解説していきます。

学歴フィルターが存在する!その理由は?

企業に学歴フィルターが存在する理由は、基本的に以下の3つのどれかに該当しています。

場合によっては複数該当しているケースもあり、就職難易度が高い企業であればあるほど学歴フィルターは切り離せない傾向です。

①高学歴といわれる大学出身者なら『優秀』『勤勉』である可能性が高いと(企業側が)信じている
②企業の幹部や社長などが高学歴で学歴至上主義であるため
③応募者数が多いと1人1人のエントリーシートを見ていられないから

このような理由により学歴で弾かれることがあるのは理不尽な印象もありますが、企業側も採用活動には神経を使っているので仕方ない部分もあるのです。

大学生の就職活動だと、まだ社会人としての経験がほとんどない中で進めていかねばならず、企業側もその条件で採用する人間を選ばなければいけません。

転職活動ならこれまでの実績や職歴や経験などを見てもらえる可能性もありますが、そういうものを武器にできない大学生の場合だと学歴というのは目に見える実績として重視されやすいのです。

特に人気の高い大企業や有名企業の場合は応募がとても多いことから、人事だけで全てを見きれないために学歴で振り分けるというケースもあるようです。

現在では高学歴でなくても経験やアピールポイントを重視する企業も増えてきていますが、日本はまだまだ学歴が重視される場面もある社会だといえるでしょう。

ちなみに学歴フィルター=就職活動という印象ですが、転職活動でも学歴フィルターがかかる可能性はあります。

ただ、就職活動に比べると転職活動のほうが社会人としての実績や経験でも判断できるので、就職活動では学歴フィルター重視の企業でも転職活動ではそうでないケースもあります。

優秀・勤勉な人材を絞り込みやすいと信じている

学歴フィルターが存在する理由の1つは、学歴で『優秀さ』や『勤勉さ』を計れると信じている企業や人事担当者がいるからです。

学歴は全てではありません。中卒や高卒でも起業して有名になった方や地頭が良くてそこらへんの大卒以上に賢い……みたいな方も存在しています。

しかし学歴がある=中学・高校と学生時代に学校の勉強に取り組み、基礎があることを判断する目安になります。

起業して有名になるだけの能力があっても、そこらへんの大卒以上に賢い中卒でも、採用活動中の短期間では見抜けないことが多いのです。

人事担当者も人間なので、限られた時間の中で他人について深いところまで見抜くのはなかなか難しいです。

そこで、学歴という『勉強をしてきた人材であること』を最も手っ取り早く把握するための基準に頼ってしまいやすいのです。

学歴フィルターで判断しないことを意識している企業ももちろんありますが、人気があって応募者数が多い大企業であれば、学歴での振り分けがある可能性が高いと認識しておきましょう。

企業の偉い人が学歴至上主義のタイプが極めて多い

大企業の偉い方は、高学歴であることが多いです。

今偉い地位にいる方は、年齢的に非常に学歴競争が激しかった時代に青春を過ごしている場合もあるでしょう。

最近はもっと自由な社会で個性も評価されつつある風潮ですが、現在の40代〜60代の青春時代は良い大学に入学して大企業に入社することが美徳と考えられやすかったことでしょう。

そのときのまま、学歴を重視している偉い方がいるのは不自然なことではありません。

ただし、大企業の偉い方自体はあまり人事に関与しない場合もあるので、偉い方個人が学歴至上主義でも必ずしもそれが影響を与えているとも限らず、元々の社風が学歴フィルター重視の場合のほうが多いでしょう。

学歴フィルターにかかるとしてもどうしても入社したい企業があるなら、細かいことを気にせずに全力で挑んでみても無駄にはならないはずです。

応募数が多く全員の選考に時間をかけられないから

大企業に関わらず人気のある企業だと、毎年就職活動の時期は大量の応募があります。

人事担当者の数は限られているので、全てのエントリーシートを閲覧することは物理的に難しい場合があります。

基本的に今は採用のための専用システムを使って管理することが一般的。このシステムでは、学歴で応募者を自動振り分けすることができます。

エントリーシートを1つ1つ見ていかなくても、操作だけで簡単に振り分けることができて、絞り込んだ中からじっくり見ていくことができるのです。

つまり、企業によっては学歴次第でエントリーシートさえ見ないこともあるということです。

いくらアピールに力を入れても、これでは選考に進めません。

学歴フィルターは厳しいものではありますが、後ほどこの学歴フィルターをかからなくするためのコツも解説していきます。

学歴フィルターにかからない大学はどこ?

『自分は学歴フィルターにかかって就職活動が厳しい』という方もいれば、『うちの大学って学歴フィルターにかかるのだろうか?』と、かかるかどうか自体の判断に迷う方もいるでしょう。

学歴フィルターにかからない大学として手っ取り早い判断基準は、高学歴といわれる大学であることです。

高学歴とくくっても、『ここからが高学歴の大学だよね』というラインは人によって異なります。

ただ、中には実際に就職活動を経て採用されるかは別にしても、国内のどこの企業に応募するにしても学歴フィルターにかからない大学というのも存在しています。

有名国立大学や高偏差値の名門私立は学歴フィルターにかからない

確実に学歴フィルターにかからない大学もありますが、その他の大学だと高学歴の大学として名前が知られている大学や、ブランド力のある有名大学であれば学歴フィルターにかからないことが多くなります。

大学ごとに学歴フィルターにかかるかかからないか、以下で見ていきましょう。

大学名 種別 学歴フィルター
東京大学 国立(旧帝大) 確実にかからない
京都大学 国立(旧帝大) 確実にかからない
東北大学 国立(旧帝大) 確実にかからない
大阪大学 国立(旧帝大) 確実にかからない
名古屋大学 国立(旧帝大) 確実にかからない
北海道大学 国立(旧帝大) 確実にかからない
九州大学 国立(旧帝大) 確実にかからない
筑波大学 国立 確実にかからない
一橋大学 国立 確実にかからない
東京工業大学 国立 確実にかからない
慶應義塾大学 私立 確実にかからない
早稲田大学 私立 確実にかからない
神戸大学 国立 確実にかからない
大阪市立大学 公立 基本的にかからない
首都大学東京 公立 基本的にかからない
お茶の水女子大学 国立 基本的にかからない
東京外国語大学 国立 基本的にかからない
東京医科歯科大学 国立 分野に適していればかからない
上智大学 私立 基本的にかからない
青山学院大学 私立(MARCH) かからないことが多い
明治大学 私立(MARCH) かからないことが多い
立教大学 私立(MARCH) かからないことが多い
中央大学 私立(MARCH) かからないことが多い
法政大学 私立(MARCH) かからないことが多い
学習院大学 私立 かからないことが多い
東京理科大学 私立 かからないことが多い
関西大学 私立(関関同立) かからないことが多い
関西学院大学 私立(関関同立) かからないことが多い
同志社大学 私立(関関同立) かからないことが多い
立命館大学 私立(関関同立) かからないことが多い

旧帝大と呼ばれる日本トップの7大学であれば、どこの企業の学歴フィルターにも確実にかかりません。

確実にかからないとはいえ、経験やその他のアピールポイントによってはランクの下がる大学の学生が就職活動で内定を得て旧帝大の学生が落ちるというケースもゼロではないので、学歴フィルターが絶対ではありません。

とはいえ、日本国内での就職活動・転職活動の選択肢を最も広げやすいのは、この旧帝大7校だといっても過言ではないでしょう。

地方国立、MARCH、関関同立なら学歴フィルターにかかりづらい

MARCH、関関同立は関東と関西でそれぞれ有名大学として認識されています。有名国立ほどではなくても、学歴フィルターにはかからないことが多いです。

そして地方国立も、旧帝大ほどではなくても幅広く教科を学ばなければ入学できない国立大学に進んだということで評価されやすく、学歴フィルターにはかからないことが多いです。

就職活動・転職活動の選択肢は多い立場だといえるでしょう。特に、地方国立の場合は、その大学がある県で就職活動・転職活動する場合にはむしろ首都圏の有名大学よりも有利になるケースすらあります。

地方国立は地元で高く評価されていることが多いので、就職活動・転職活動をする場所次第では他のむしろ一番有利になる可能性さえあります。

なお、逆にMARCHや関関同立の場合は人気があっても企業カラーによっては有利にならないケースもあります。

企業によっては例えば慶應義塾大学出身者が多い、早稲田出身者が多いといった風に好まれる大学が絞られているケースもあります。

学歴フィルターにはかかりづらいとはいえ、企業カラーやどこの大学出身者が多いかは調べておいたほうが安心できます。

学歴フィルターにかからない大学でも企業によって採用実績0もある

その企業の中で学歴フィルターにかからない大学でも、採用実績0という場合もあります。

学歴フィルターにかからないから就職活動も余裕というわけではないので、注意が必要です。

学歴フィルターにかからなくても、かからなかった応募者の中で採用される人間が決まるので、準備やアピールは念入りに行わなければいけません。

理系は研究室からの推薦やスカウトで就職するから例外多し

ここまで学歴フィルターがある企業は存在していると触れてきましたが、一部例外もあって、学歴フィルターにかかる大学でも理系の学部だとかからずに大企業に内定するケースがあります。

理系の学部特有ですが、理系の学部では学生が所属する研究室や教授が企業に自分のところの学生を推薦することがあるからです。

研究や技術の分野については、もちろん研究の内容や実績も加味されます。

このとき企業側が重視するのは、大学教授が作成する企業への推薦状です。

つまり著名な教授、実績のある教授が推薦状を書いてくれればそこが最優先基準になり、大学名で振り分けられることが基本的になくなるのです。

ただし、理系でも注意点はあります。

学歴フィルターがかかりづらいとはいえ、必ずしもかからないわけではないこと、それから研究内容によっても変わってくることです。

化学や物理や工業系や情報などの理系は就職活動で強みを発揮しやすいですが、それ以外の理系だと学歴フィルターのほうが重視されてしまう可能性もあります。

学歴フィルターで弾かれそう!内定を得るためにどうすればいい?

学歴フィルターで弾かれそうで不安という方は、自力で求人を探して応募していくより第三者の力を借りるほうがスムーズに就職活動を進められる可能性があります。

・就職支援サービス(転職活動なら転職エージェント)
・学生の就職活動ならOB訪問制度の活用

この2つの方法は基本的なものですが、学歴フィルターを避けて内定を目指したいときには心強いものです。

就職支援サービスは、登録することによって担当者が条件や希望に合う求人を紹介してくれます。応募書類の添削や面接サポートといったものもあるので、自信がなくてもしっかり準備することができます。

また、就職支援サービスによっては書類選考なしで面接まで進めるケースもあります。

ちなみに就職支援サービスやOB訪問制度に頼らずに学歴フィルターを超えて内定を得る方というのも存在しています。

アピールが上手いという要素は必要になりますが、単独で進める場合に大切なのは熱意とやる気です。

超人気企業相手でも応募するだけならお金がかかるわけでもなく減るものでもないので、学歴フィルターがあること前提でたくさん応募するというやり方もあります。

学歴に自身が無い方はOB訪問制度をフル活用しよう

OB訪問制度を利用できる場合には、OB訪問制度を利用することで学歴フィルターにかからずに就職活動できるケースがあります。

OB訪問制度がある場合、OBが自分の所属する企業の人事にその学生のことを売り込んでくれるため、何も後ろ盾がない中で就職活動に挑むよりも基本的に有利になります。

例えば通常であれば学歴フィルターにかかる大学であっても、その大学から入社したOBが人事に売り込むことで後輩も学歴フィルターを超えて採用になる……みたいなこともあるのです。

(そのOBはアピールの上手さや何かしらの実績で特別に採用されている可能性があります)

学歴フィルターにかかりそうでも、特定の企業に行きたいという強い思いがあり、OB訪問制度を利用できる状況にあるなら利用しない手はないでしょう。

学歴フィルターがかかりづらいタイミングを狙う

学歴フィルターにかかる大学に該当しているものの学歴フィルターにかからずに就職活動したいなら、第三者の力を借りることが手っ取り早いです。

しかしそれをしない・できないという場合には、自力でも対応はできます。

自力で対応するうえでできるだけ学歴フィルターに左右されないようにするためには、学歴フィルターがかかりづらいタイミングを狙うというやり方もあります。

学歴フィルターがかかりづらくなるタイミングというのは、秋です。

秋からの就職活動だと、学歴フィルターで弾かれていた方々でも選考に進めるケースが増えます。

就職活動のスタート直後の春と夏については、学歴フィルターで高学歴層を採用する人気企業は多いものの、それが一段落した次のシーズンである秋については必ずしも学歴だけで振り分けを行いません。

幅広い学生を見ていく企業・人事担当者が増えます。

ただし!!『学歴フィルターがかかりづらくなるのが秋なら、秋から就職活動しよう!』というのは危険です。

春夏も学歴フィルターを恐れずに挑戦したうえで、場合によっては秋にも挑戦するくらいのスタンスでいるほうが安心です。

就職活動は良くも悪くもまさかということが発生するケースがあるので、油断なく、春夏から地道に取り組んでいくほうが安心です。

大企業の子会社系は学歴フィルターが弱い傾向

第三者の力を借りるのも良し、秋の就職活動を狙うのも良し、できることをやって頑張る……というときに、人によっては注目しておいたほうが良いポイントがもう1つあります。

人気企業の中でも、大企業本体ではなく大企業の子会社系の企業は学歴フィルターが弱い傾向があります。

大企業本来よりも子会社系のほうがそのあたりは柔軟であることが多く、例えば『自分の学歴ではこのグループの会社は難しいだろう』と考えていても内定を得られる可能性があります。

特定の大企業が第一志望という場合でも、子会社系まで範囲を広げて準備しておくのも良いでしょう。

もちろん特定の大企業を志望しているわけではないものの有名なところに入社したいという場合でも、このポイントは注目しておくべきです。

なお、子会社系に入社した場合。入社後の実績や努力によっては、本体に出向したり引き抜かれたり移籍できたりする可能性もあります。

本来であれば本体には学歴フィルターにより入社できない立場の方が、子会社系に入社してステップアップし、学歴フィルター関係なく本体に移籍……というケースもあるのです。

子会社系だとしても選択肢は広がりますし、給料や待遇についても近い水準である可能性もあります。

学歴フィルターに関するよくある質問

ここまでは学歴フィルターについて解説しました。最後に、学歴フィルターに関連してよく挙がる質問について!Q&A形式で確認していきましょう。

学歴フィルターってどういう意味なの?

学歴フィルターとは、企業が採用活動において応募者の大学名で選考を進めたり落としたり振るいにかけることを指します。

学歴フィルターの見分け方は?

企業の採用実績(どの大学の学生を中心に採用しているか)を調べることで、学歴フィルターがあるかどうかある程度は判断できますが、企業側が『学歴フィルターをかけています』と公言するわけではないので、推測での対応になります。 推測に必要な採用実績は、企業の公式サイト上の採用ページや大学の就職課で調べることもできます。

学歴フィルターについては、行きたい特定の企業がある場合は自分の大学の学生の就職先実績を就職課で調べて、過去にその企業の内定を得た学生がいるか確認してみると良いでしょう。

過去に何人も内定を得ているのであれば、自分の大学は少なくともその企業の学歴フィルターにはかかっていないと判断できます。

しかし過去に内定を得た学生が0人の場合は、学歴フィルターにかかっている可能性が高いです。

小規模で応募者数が少ない企業であれば、そもそもその大学の学生が応募していない可能性もあります。

しかし知名度が高く人気がある企業の場合は過去にその大学の学生がたくさん応募している可能性が高まるので、学歴フィルターがかかっている可能性も高まるでしょう。

ちなみに、特に人気企業とか有名企業とかにこだわらないのであれば、学歴フィルターを気にしないで就職活動を終えることも不可能ではありません。

学歴フィルターは全ての企業がかけるわけではありません。

学歴フィルターをかけてしまうと人材を確保しづらい企業も、世の中にはたくさんあります。

どの企業に行きたいのかによって、学歴フィルターが大きくなるならないはあるので、そのあたり特にこだわりがないという方は学歴フィルターがなくて働きやすい企業を探して就職活動するというのも1つの選択肢です。

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