業界・業種に関わらず、面接の際に聞かれやすい質問やテーマは存在しています。
今回は面接でよくある質問と、それぞれの基本的な捉え方や回答方法について解説していきます。
これから面接を控えていて不安があるという方は、ぜひ参考にしてくださいね!
面接で聞かれる質問や回答
年齢に関係なく、面接で聞かれやすい質問について。まずはざっと確認していきましょう。
・自己紹介をお願いします
・職務経歴(これまでの経験)について教えてください
・当社への志望動機を教えてください
・どうして前職を退職したのですか(もしくは、どうして転職を希望していますか?)
・長所と短所を教えてください
・当社に入社したとして、今後はどうなっていきたいですか?
・当社があなたを採用するメリットを教えてください
・あなたにとって仕事とは何ですか?
・最近印象に残ったニュースは何ですか?
・最近読んで印象に残った本はありますか?
・これまでの人生で感銘を受けたことは何ですか?
・残業はできますか?(休日出勤には対応できますか?)
・様々な業務に携わっていただくかもしれませんが、問題はありませんか?
この中には、『答え方がわからない』『そんなことを聞かれたら回答が難しい』と、感じる質問もあったかもしれません。
以下では、面接で聞かれやすい質問について状況別に考え方や回答の参考例を解説していきましょう。
入室~開始直後によく聞かれる質問
入室~面接開始直後に、高確率で聞かれるのが『自己紹介』です。自己紹介してくださいと言われるとしたら、基本的には一番初めです。
逆に考えると、一番初めに自己紹介を求められなければ、その後面接時間の中で自己紹介をしてくださいと言われる可能性は低いでしょう。
入室~面接開始直後に飛んでくる質問は、どの企業でも共通して飛んできやすい(その企業特有の個性がある質問ではないことが多い)ということで、対策をしやすいです。
最初の印象が良ければ、途中で多少回答に失敗したと感じてもカバーしやすくなります。
第一印象というのはとても大切なのです!
①『自己紹介をお願いします』
面接のスタート時、『自己紹介をお願いします』と、言われても漠然と感じるかもしれません。
一般的に面接の場において『自己紹介』と言われたら、1分の時間内に『氏名(名乗り)』と『職務経歴(複数ある場合は直近のものを1つ)』を述べます。
やってしまいやすいミスとしては、自己紹介をしろと言われているのに誤って『自己PR』をしてしまうというものです。
『自己PR(自分の実績や努力して得た成果など)』は、『自己紹介』とは別のものなのです。
自己紹介についての参考例を、1つご紹介します。
『〇〇(フルネーム)と申します。
IT企業の広報として、イベント企画やプロモーション業務を担当しておりました。
担当した『~~』というイベントでは、『~~』という成果を出すことができました。
この経験から、挑戦の幅を広げていきたいと感じるようになり、御社に応募させていただきました。
本日はお時間いただき、誠にありがとうございます。
どうぞ、よろしくお願い致します』
あくまでも回答の参考例ではありますが、これくらいの内容量で、話すペースは速すぎず遅すぎず。詰め込みすぎず、過度なアピールもしないようにしましょう。
②『職務経歴(これまでの経験)について教えてください』
自己紹介を先に求められている場合は、その段階で直近の職務経歴を伝えています。職務経歴が直近の1社しかないという場合は、『職務経歴について教えてください』と自己紹介後に言われる可能性は低いでしょう。
(面接官は履歴書を見ながら話すので、職務経歴が1社しかない場合はわかっています)
そのような言い方をしなくても、『自己紹介で触れた1社について、もっと詳しく教えてください』というニュアンスで職務経歴を深く尋ねられる可能性はあります。
他には、自己紹介なしで職務経歴についての質問から入る企業もあります。
どちらも想定しておくと安心でしょう。
自己紹介を終えたあたりで聞かれれる質問
自己紹介と職務経歴の質問を終えた後に聞かれることが多いのが、『志望動機』と『転職活動をしている理由』です。
この質問で何を知りたいのかというと、基本的には採用したとして熱意を持って働いてくれるか、やる気があるか、そして採用したとしてすぐに辞めるような人材ではないかです。
志望動機については、応募先の企業についてある程度知らなければ作成が難しいものです。
『前職と同じ職種だし、給与を見て何となく』という動機で応募する方もいるかもしれませんが、それでも志望動機を作成するために、ある程度その企業について事前に知って内容を準備しておくといいでしょう。
①『志望理由を教えてください』
志望動機は職種によっても言い回しが変わってきます。
ただし、いわゆる語学の文法のように、どの業界、業種でも『この順番にすればスムーズに伝わる』という構成の基本はあります。
前職での経験⇒それを活かして御社で〇〇したい⇒そして成長していきたいから志望しています。
という構成です。
ここでは事務職をピックアップして、回答内容の参考例を見ていきましょう。
『前職ではデータ入力を担当していましたが、日々経験をつむにつれて営業事務として資料作成や顧客対応などの業務にも携わってみたいと考えるようになり、御社を志望しました。
データ入力はただ文字を打つだけではなく、スケジュール管理、正確さ、そしてケアレスミスがないか時間が許す中で確認を繰り返すという根気が求められます。前職の経験を通して、これらのスキルは身に着けることができたと考えております。
御社の募集職種も事務職であることは共通していますが、内容は異なります。しかし経験を活かすことができると思います。
幅広く業務に携わり、成長を目指したいです』
②『どうして前職を退職したのですか』or『どうして転職を希望していますか?』
面接の際、面接官からこのような質問が出てくる背景には、『辞めた(もしくはこれから現職を辞める)理由を知ることで、入社後にすぐに辞めてしまう人材ではないか判断したい』という思惑があります。
それではどういう回答をしたら『すぐ辞めるかもな』と思われてしまうのかというと、後ろ向きな理由による退職だと回答した場合です。
転職や離職後に面接を受けている方の中には、『何かのスキルアップを目指して』『人として成長するため』という前向きな理由で仕事を探している方がいます。
そして『人間関係が嫌だったから』『パワハラがあったから』『給与が安くて生活が厳しいから』などの後ろ向きな理由で仕事を探している方もいます。
人間は生活が大事ですし、ストレスが溜まりすぎる環境にいると心がダメージを受けてしまうので、そういう環境から離れることは悪いことではありません!!
ですが、面接という場においては印象を良くすることが必要です。後ろ向きな理由で仕事を探しているケースでは、素直に伝えすぎるより事実を少し前向きに伝えるように意識しましょう。
感覚としては、ミュージシャンが本当にやりたい音楽をやるために、まずは市場で売れる曲を作ろうとする……というものに近いというとわかりやすいでしょうか。
『どうして前職を退職したのですか』or『どうして転職を希望していますか?』ということを前向きに伝えるための回答について、参考例を見ていきましょう。
『事務職をしておりました(現在進行形なら事務職をしておりますなど、調整)
データ入力がメイン業務ではありましたが、営業の手が空いていないときなどお客様から電話があると、代わりに電話を受けてヒアリングすることがありました。
正確にヒアリングできたことにより、その後でスムーズに問題解決できたという経験をしたことで、他人をサポートすることへの喜びを感じるようになりました。
また、データ入力以外の仕事もできるという自信にも繋がりました。
この経験をきっかけに、もっと幅広い業務に携わってみたくなり、転職を視野に入れるようになりました』
例えばお客様からの電話を、営業の代わりに受けるのが負担だったから『この仕事嫌だな』と、思って転職を考えたとします。
『電話を受ける』が転職のきっかけになったのは事実ですが、『電話を受けるのが嫌で、電話対応がない仕事をしたいと思って~』などと退職理由を述べるのはNG!
そこで『電話を受ける』がきっかけになって、『新しい業務も経験してみたくなった』『成長していきたくなった』など、前向きな気持ちになったから転職を考えた……
という風に、表現を前向きに前向きにするのです。
『やりたくない』『嫌だった』というマイナスな表現は、実際にそれが理由で仕事を変えようとしているとしても触れてはいけません。
③(②の回答によって聞かれやすいこと⇒)『不満について』
②の回答を前向きにしたつもりでも、面接官によっては『前職では(現在も就業中なら現職では)不満はありましたか?』と聞いて来る可能性があります。
このとき取れる選択は、『不満があったことは認めるけど、それがきっかけになって自分を成長させようと思った(将来のことを考えた)』と、伝えること……
もしくは『不満があったわけではありませんが、成長するためには転職が必要だと考えました』と、伝えること……
この2つのどちらかです。
『はい、本当は不満があったし嫌で仕方ないから転職するんですけど、何か問題でも?』と、開き直ってしまうのはダメです!!
『仕事に厳しい先輩がいて、叱られることで当初は落ち込んで辛い気持ちでいました。学生時代にはこのような経験がなかったので、仕事というのはこんなに大変なのかと考えてしまったこともあったのは事実です。
ですが、先輩が言っていることをよく聞いて動いてみたところ、ミスがなくなり周囲に褒められるという経験をしました。
それがきっかけとなって、自分は他の業務もできるという自信に繋がり、この先のキャリアを考えるようになりました』
このように、不満はあったけど、それがきっかけで物事が好転したと前向きに伝えるのもありです。
もしも不満があったことを少しでも認めるのが嫌な場合には、『職場の方々にはとてもよくしていただいて、働きやすかったですが、自身の成長のためには転職が必要だと考えました』など。
いわゆる『誰かのせいではなく、私の成長のためにこの選択をしているのです』というところを強調しましょう。
面接時間がある程度進んでからよく聞かれる質問
面接時間がある程度進めば、自己紹介のときよりも落ち着くことから、企業によってオリジナリティのある質問が飛んでくることがあります。
業界や業種によっても異なってくる質問もありますが、ここでは幅広い業界や業種で共通して出てきやすい質問に触れていきましょう。
①『長所と短所を教えてください』
面接官は、採用した場合に長所を業務に活かせるか、逆に短所は業務に支障をきたさないか判断するためにこの質問をしていることがあります。
もしくは人として興味を持っていて、純粋に『どういう人か知ろう』という気持ちで聞いてくることもあるでしょう(※この質問への回答から見えてくる人柄で、職場の雰囲気に合うかを見極めることもある)
気を付けるべきことは、長所はできるだけ業務内容に絡める要素があるものを伝えること。短所は逆に業務内容にできるだけ絡まない要素のものを伝えることです。
参考例を見てみましょう。
『私の長所は、前向きで根気強くやり抜くことだと思います。
前職では営業をしていて、成果が出せない時期がありました。そのときに「どうすれば売れるだろう」と考えて、まずはお客様に信頼してもらうことが大切だと考えました。売りつけようという姿勢ではなく、1人の人間としてお客様の元に繰り返し訪問し、最終的には「あなたが勧める商品なら安心だから」と言ってもらえて、大きな契約を取れました』
『短所については、根気強いからこそ働きすぎてしまうところがあることです。自分1人で案件や雑務を抱え込みやすいところがあります。1人でやろうとすると効率が悪いことはわかっているので、できるだけ職場の仲間に相談したり協力したりすることを大切にするよう意識しています。今後もこの意識を守り、短所は改善していければと考えています』
この短所は、仕事をするうえで感じている短所を挙げていますが……
視点を変えると熱意がある、やる気があると取れる内容になっています。
このように、マイナスの要素についてをプラスの内容で話すというのも、印象アップのために使えるテクニックです。
②『当社に入社したとして、今後はどうなっていきたいですか?』
この質問では、将来設計をどう考えているか見られます。
とにかく仕事を変わりたいという動機だけで転職を希望している場合は、そもそも『今後どうなっていきたい』という考えがないケースがあります。
実際に仕事を変わりたいという動機だけで転職活動をしている場合にも、この質問に備えて準備をしておくと安心です。
回答の参考例を見てみましょう。
『将来は御社にとってなくてはならない縁の下の力持ちになりたいと考えております。
事務職として就業する中で、指導してくれた先輩は上司や営業からの業務関連の質問に即答していて、常に頼られているのが伝わってきました。
その先輩が有休を取得した日があり、その日は私が営業から業務関連のことを尋ねられました。しかし即答はできなくて、怖かったし慌ててしまいました。
このときに、先輩がいかに特別な人材であるかを理解しました。
先輩のような人材になるには、勉強と経験と熱意が必要だと思いますが、御社に貢献できるように努力したいと考えております』
③『当社が採用するメリットを教えてください』
企業は、一般的に即戦力となってくれる人を中途採用として雇用したいと考えています。
つまり、この質問で聞かれている『メリット』とは、『どういう部分で即戦力になれるか?』というニュアンスでもあります。
こちらも当然ながら前向きな内容での回答が求められます。
回答の参考例を見てみましょう。
『私は業務にとことん向き合い、根気強くこなすことが自分の強みだと考えています。
前職では、日々上司から指定されるノルマをこなすだけではなく、さらにハードルを上げて独自の目標を設定していました。
独自の目標を設定してから半年間、毎月それを達成していました。
指定されるノルマよりも厳しいノルマを自分に課したことから、事務処理のスピードが上がり、退職の少し前には自分の業務が就業時間内に終わることから、同僚の業務も手伝うようになっていました。
御社の募集職種も事務職であることから、培った処理能力やスピードを活かせるのではないかと思います』
ここでは事務職の例を挙げていますが、例えば営業職なら『〇〇件飛び込み営業をする経験をして、連続ノルマを達成しました。この経験は御社でも活かせると思います』という風にまとめるといいでしょう。
他の職種でも同様で、業務での努力を通して培ったものを、御社でも活かせますよと構築していくとスムーズです。
企業で変わるが面接でよく聞いてくるテンプレート質問
前半の質問については、どの業界・業種でも共通して出てくることが多い質問です。
ですが、中には企業によって聞いてきたり聞いてこなかったりする質問もあります。
それでも念のため知っておきたい内容について、以下で詳しく確認していきましょう。
①『あなたにとって仕事とは何ですか?』
この質問を通して、企業側は応募者の人柄や価値観、そして採用した場合職場に合う人物かどうかを判断しようとしています。
ストレートに自分にとって仕事とは何かを(前向きな内容で)伝えるのもありですが、応募先の企業の特徴や社風を確認したうえで、そこに合わせて内容を作るのもいいでしょう。
回答例を見てみましょう。
『仕事は人生を鮮やかにするために必須な要素だと考えております。
平日、仕事をしている時間は1日の中でも長いです。仕事は人生で欠かせないものであり、仕事を通して経験する物事で世の中を知り、視野を広げ、自分で考えられる事も増えていきます。
私は将来仕事を通して自己実現したいと、今でこそ考えていますが、前職に入社してすぐの時点ではそのような発想はありませんでした。
これは仕事に取り組んだことによって、発想できるようになったことです。
仕事というのは、個人個人の人生の充実の土台にあるものだろうと感じています。
私が仕事を続けていくことでいつか出会う部下たちも、年齢によっては過去の私と同じようなことに悩むのかもしれません。いつかキャリアアップしていく中で、自身の経験を基に部下を導けるようになれたらいいなと考えています』
②『最近印象に残ったニュースは何ですか?』
ニュースについて聞くことが、面接でどういう意味があるのか……と、感じてしまう方もいるかもしれません。
この質問は、基本的に応募者の価値観を知る目的で出てきます。
ニュース、つまり時事問題、世の中の動きに関心を持っていない人物は仕事やその他職場の人間関係についてもあまり興味を持たず積極性がないと判断される可能性があります。
企業によってはニュース関連の質問は一切触れないケースもありますが、本当にニュースに興味関心がない方も、念のため事前にニュースは確認しておいて咄嗟に反応できるようにするといいでしょう。
『〇〇社が、〇〇業界に新規参入するというニュースに驚きました。私はこのニュースについて、業界の常識を覆し、新しいフェーズを生み出すきっかけになるのではと考えています』
人柄を重視するアットホーム系な職場であれば、ほっこりするようなご当地ニュースをピックアップするのもいいでしょう。
ですが、基本的には経済関連のニュースからピックアップするのが無難です。
③『最近読んで印象に残った本は?』
最近読んだ本についても、ニュースの質問と同様に価値観を知るためにされることがあります。
また、読書離れが進んでいる時代ともいわれている中で本を読んでいる人というのは、向上心があり視野が広いと前向きに捉えられます。
向上心、そして視野の広さというのは仕事をしていくうえでもとても役立つことです。
ちなみに、この質問が出たとしても面接官は実際の読書の様子を観察しているわけではないので、極端な話10年前に読んだ本を挙げてもバレません。
もしも最近読んだ本がなくて、読書が好きではなくて、面接までの間に読んでいる余裕がないという方は、過去に読んだ本をテーマに回答を考えておくといいでしょう。
『私が最近印象に残った本は『〇〇』です。
この本は〇〇社のCEOの自叙伝であり、いかにしてカリスマと呼ばれるようになったのか、世に革新を起こせる人材になったのか、ルーツや努力、行動や考え方に触れています。
私と〇〇社のCEOでは立場も背負っているものも違いますが、社会人としての物の考え方や行動のスピードの重要性などを学ぶことができました』
ここでは幅広い業界や業種で使えそうな、偉人の自叙伝系をピックアップしましたが、応募先企業のカラーに合わせて作品を選ぶというのもいいでしょう。
例えば飲食業界に応募するなら、飲食関連がテーマの本について語るなどです。
なお、『最近読んだ本』という質問としていますが、場合によっては近い内容で『最近、感銘を受けたことは?』などと聞かれることがあります。
その場合には、『読んだ本から感銘を受けた』という内容に応用して回答することも可能です。
念入りに準備したい方は、『感銘バージョン』も想定して応用しておくと安心です。
④『これまでの人生で感銘を受けたことは何ですか?』
『最近受けた感銘』ではなく『これまでの人生で受けた感銘』という、対象範囲が非常に広い質問です。
そう捉えるととても難しい質問のように感じますが、日常の些細な感銘でも問題ありません。
例えば、『前職は飲食店で、お客様から丁寧なお礼のお手紙をいただいたことに感銘を受けて、真剣に仕事に取り組むことで得られる面白さややりがいを知りました』などです。
⑤『残業はできますか?』『休日出勤には対応できますか?』
『残業はできますか?』『休日出勤には対応できますか?』
このような質問が出る企業の場合は、残業や休日出勤が発生することがあります。ただ、その頻度が高いかどうかは別の話なので、『え、こんなこと聞くなんてブラック!?』と、心配しすぎるのは早いです。
基本的に、面接の段階で『あるけど、大丈夫?』と確認してくれる企業は良心的であることが多いです。
ブラック企業で離職率が高いと、マイナス要素は隠したがるからです。
このような質問が出るときには、良心的な企業の多くはどれくらい発生するかも説明してくれるので、よく聞いておくようにしましょう。
さて、回答内容ですが、問題がないのであれば『残業も休日出勤も対応できます』とストレートに答えればOK!
少々ひねりが必要なのは、条件付きである場合です。
『残業も休日出勤も可能です。ただ、休日に趣味の時間を確保したり家族と過ごす時間を大切にしたりしたいと考えているので、事前に調整させていただけますと幸いです』
この程度であれば、面接官も納得してくれる範囲です。
この程度も許容してくれないようなら、なかなかハードな企業です。
⑥『様々な業務に携わっていただくかもしれませんが、問題ありませんか?』
中小企業やベンチャー企業などでは、マルチな業務を求められることがあります。
『自分はこの業務とこの業務だけの契約』という働き方を希望している方の場合、このような幅広く携わる企業に入社するとミスマッチになってしまいます。
それを避けるために事前に確認してくれています。
様々な業務に対応することに抵抗がないのであれば、前向きに答えましょう。
『はい。問題ありません。様々な業務に対応することで成長したいと考えております。色々な経験をさせていだけると嬉しいです』など。
いわゆる、『幅広く携われるのは、自分としては嬉しいです』というニュアンスにして回答するということです。
キャリア・職歴がある30代~40代の方によく聞いてくる質問
既にある程度のキャリアがある、職歴があるという方が転職活動をすることもあります。
そのような応募者に向けて、企業側がすることが多い質問もあります。
①『マネジメント経験はありますか?』
ある場合は、その経験の内容を伝えれば問題ありません。
ない場合は、できる限りマネジメント経験に近いものがあるという内容をアピールできるようにしましょう。
『前職では、マネジメント業務の担当ではありませんでした。ですが、後輩の指導には関わっておりました。
内容としては、営業先への同行や提案方法の指導、そして業務マニュアルの作成や、業務のアドバイスも行っていました。マネジメント業務を専門としていたわけではありませんが、後輩の指導を通して近い経験はしたのではないかと思っております』
②『部下にはどういう態度で接するようにしていますか?』
この質問では、指導力があるかどうかと、部下に対して威圧的だったり問題のある言動をしたりするような人間性ではないかを判断されます。
『部下に対して心掛けていたことは、本人の個性に応じて指導やアドバイスを行うことです。部下によっては、事実の伝達だけでは迷ってしまうこともあります。逆に簡潔に伝えるだけにしたほうがスムーズに動ける人材もいます。それぞれに合わせて伝え方を変えたり、得意とする業務を多く割り振るなど調整をしていました。
個性に合わせて指導やアドバイスを行うことで、部下は着実に成長のステップを踏めると実感しております』
③『この業界の将来はどうなると思いますか?』
この質問には、日頃から業界の動向を観察していて、即戦力として馴染んでくれるかどうかを判断する意図があります。
シンプルな想像ではなく、実際の数値やデータといった裏付けも織り交ぜて予想を語ることが大切です。
完全に異業種への応募をしているときにはどうするかというと、この場合でも調べた数値やデータを基に自分の予想を語ることが大切になります。
『この業界はこの先、WEB業界との連携がこれまで以上に必要になってくると思います。
〇社のデータによると、△△でありWEB業界との連携で売り上げ20%アップを達成したようです。それまでにかかった期間から考えても、勢いがあり、今後はますますこの流れが加速すると予想できます』
面接でよくある質問まとめ
今回は面接でよくある質問を中心にご紹介しました。
面接時間の最初のほうに出てくる質問は、業界や業種に関わらず共通して出てくる頻度が高いので、対策は念入りにしたいところです。
企業によっては出ないこともある質問もありますが、余裕があればそのような質問も含めて準備しておくと、落ち着いた気持ちで面接に臨みやすいでしょう。